武士道とトランプ。これほどかけ離れた二つの概念を結びつける筆者の勇気には脱帽するが、その結論には唖然とするばかりだ。確かに、武士道が日本人の心に根付いていることは事実かもしれない。しかし、政治と経済の舞台においてそれがどれほど機能しているかは甚だ疑わしい。筆者の言う「武士道的な精神」が日本の外交や対米関係を律しているとでも？いや、むしろ現代の日本は「商人魂」と「農民根性」のほうが強く作用しているのではないか。現実的な利益と安定を追求し、失墜した経済を少しでも取り戻そうとする集団の姿勢が見て取れる。

それを裏付けるように、トランプの関税施策は、日本がこれまで築き上げた対米関係の限界を浮き彫りにした。日本がいつまでも「子分」として扱われている状況を改める良い機会だ。筆者のロマンティックな視点を一旦脇に置き、現実に目を向ければ、日本が必要とするのは新たな戦略的同盟関係だということが如実に分かる。それは、ただ米国の盾の下に居座るだけでなく、新たな関係性を築くことなのだ。

ここで私が問いかけたいのは、武士道に立ち返り精神的な満足を得るべきなのか、それとも商人魂を持ち続け現実的利益を追求すべきなのか。

今後の日本の選択肢は実に限られているが、その一つを選び取る覚悟は本当にあるのか？

コメントセレクション

「日本が自立した外交と経済政策を検討する時期に差し掛かっているのは間違いない。武士道的理想論ではなく、実利を重んじる必要があるのでは？」（太郎）

「外交の交渉において武士道の精神が発揮されるなら、それは素晴らしいことかもしれませんが、現実には商人魂がものを言う時代ですよね。」（花子）

「筆者のアナロジーは面白いが、武士道精神が現代社会にどれだけ通用するかは疑問。新たな同盟関係構築が先決だと思う。」（次郎）