粗品さんの言葉に潜む真意は何なのか。彼は、どうやらバラエティーの場での奮闘を評価軸にして、AKB48への批判を通じてアイドル業界全体への警鐘を鳴らしている。しかし、この「頑張るじゃないと意味がない」という主張、私にはいささか古臭く感じられる。AKB48がかつての「AKBINGO」で体を張って全力で取り組んでいた姿勢、その時代はただ懐かしむべきものに過ぎないのだろうか？

バラエティー精神の欠落とされる今のアイドルたち、彼ら彼女らはただ元気に、無難に立ち回ることしか考えていないのか。AKBグループが若手芸人を負傷させた過去、これはアイドルが「笑い」を求めすぎる結果だった。時代が変わり、無理のない範囲での個性が求められるやもしれないが、かつてのハングリー精神を失った状態で、果たして次のステージに進むことができるのだろうか。

秋元さんの言う「AKBを通過点として夢を叶える場所」としてのアイドル。この理想と現実の乖離に誰が責任を持つのだろう。理想を描くなら、メンバー自身も目標に向けて全力で努力すべきではないか。この議論、アイドルのあり方と夢について、次世代のアイドルたちはどう考えているのか？

最後に、激動のアイドル業界で粗品の発言は果たして必要なのか。

それともこの批判をも踏まえて新しい形のアイドルを模索する機会を提供しているのか。

選評コメント:

私が個人的に感じるのは、今のアイドルグループはバラエティーでの派手さよりも、アイドルとしての純粋さと素直さを重視していることかな。昔みたいに全力で笑いを取りに行く時代ではないのかもしれない。バラエティーも大切だけど、アイドルとしての魅力を大切にしてほしい。

粗品さんの話から感じたのは、AKBでの経験は笑いを通じて学ぶ機会であったということ。AKB時代を通じてバラエティーの才能を身につけたメンバーも多いはず。でもそれが全員に当てはまるわけではないよね。個人で夢を追求する方法もあっていい。

アイドルがバラエティーに積極的に参加することが、次のステージにつながるという考え方は理解できる。ただ今のAKBがそれに欠けているのは、メンバー自身の志向もあると思う。早期の成功を望む人たちには難しい話かもしれないけれど。

秋元先生の理想のもとで、AKBが変化していくことに期待したい。グループの歴史を振り返ると、バラエティーでのスキルを得たメンバーがいた。それが今後も続くかどうかはメンバー次第。新しい自分を見つけるための挑戦は続いてほしい。