どうやら、ロックの魂は政治的意見表明の場でも健在のようだ。ミュージシャン浅井健一が自ら政治的支持を打ち明けることで、日本のエンタメ界に波紋を巻き起こした。まるで熟練のギタリストが新たなコードを試すかのように、彼は手を出してはいけないとされる地雷原に真正面から突っ込んだのだ。支持政党を公表することは、まさに「自分の心で感じて自由に決断する」行動だが、それにしてもこの勇気には脱帽せざるを得ない。

しかし、「自分の意見を隠すことは耐えられない」と言い切る彼の姿勢に、我々は本当に一歩踏み出す勇気を持つべきなのか？ 日本では、政治的発言は一種のタブーとされ、特に著名人がそれを破ると、瞬く間に社会の断罪が下される。音楽の世界を飛び出して、自らの信念を堂々と提示することはリスキーである一方で、影響力を駆使し社会に変化をもたらせる可能性もある。

それでも、「良い社会になって欲しい」と願う彼の言葉には、どこかしらの一貫性が伺える。しかし、「どのように語るか」を問わぬまま、影響力を持つ者が発言することは諸刃の剣だ。このチャレンジングな時代、一体どこまでが「言論の自由」で、どこからが「影響力の濫用」となるのだろうか？

有名人が投票先を公表することでファンに影響を与えるのは、良いことなのか悪いことなのか議論が分かれる。政治的な意見を公にすることで、議論を活性化させるか、単なる思考停止を招くか。

ミュージシャンの思想が見えることで離れるファンもいるだろうが、支持を強化するファンもいる。結局は、その人物の音楽性や人格によるのでしょうか。それとも我々に求められているのは、もっと理性的な思考力でしょうか？

「参政党に入れる」と発言する浅井さんの言葉に賛否があるが、それでも彼の音楽を聴くことは、支持政党に関わりませんよね？ アーティストの政治的発言がその人の全てを決定付けるべきではないはずです。