少子化対策としての子育て支援は、もはや形骸化した儀式に過ぎないのではないか。統計データがどれだけ「出生数70万人割れ」「出生率過去最低」と言われようが、政治家たちは相変わらず表面的な解決策しか提示しない。この状況、まるで壊れたレコードプレーヤーのようだ。同じ曲が何度も繰り返されるが、新しいメロディーは一向に聞こえてこない。

政治の世界では、言葉はアクションの代わりにはならない。

児童給付金や無償化に頼るだけでは、未来を変える力はない。むしろ、そこに投じられる莫大な予算が、逆に社会全体の「子育ては豪華商品」という認識を強化し、若者の婚姻意欲を削ぐ結果になっているのは明白だ。「子育てはゼロサムゲームではない」、この基本原則を忘れてしまっているのだろうか。

ある意味では、少子化対策は政治家と国民の信頼関係を測るリトマス試験紙だ。効果が出ないとわかっていても、安心材料として続けざるを得ないこの制度は、文化的なアダマンタイトか、それともただの空虚な宣伝か。

未来を語るには、もっと現実に即した視点が必要だ。効果が見えない施策を置き去りにして、新しい発想を迎え入れる勇気があるのか。進化しない政治は、ただの歴史の反復に過ぎないのだ。

ネットからのコメント

1、そもそも、昔は子育てコストが安かったから産んでいたわけではない。子供を持って一人前と言われ、老後も子供がいないと大変だったから、当たり前のように産んでいただけだ。

産まない選択が認められ、独身でも子を持たなくとも後ろ指さされることもなく、しかも老後は子育てしない分キャリアもあり年金も高額であるなら、むしろ産まない方が普通だと思う。産むのは、子供が好きなどの嗜好のある人だけだろう。趣味に近いよね。残念ながら、子供をもたないと大変であると、そういう脅しがないと産む人は増えないと思う。今は、逆に子供を持ったら大変だという脅しの方が強く、これで子供が増えるわけがない

2、自分で育てたくないのだと思います。でも、それが自然だと思います。核家族専業主婦が台頭に上がった時代に、母親が1人で数人育てる考え方が主流になりましたが、それ以前は若い母親は産んだ後も働いていて、同居する親や親戚の中高年〜高齢者複数人と一緒に子供を育てていました。若い女性は産めるけど働けるので、母親が1人で数人育てることは理想的ではないと思います。いまは一緒に育ててくれる人はいないし、ましてや母親が育てるものだというバイアスがまだ強いので、育てたくないから産みたくないのだと思います。

3、そもそも産んだらこれだけもらえますよ、なんてアピールをしたところで子供を作ろうなんて思うはずもない。だって結局はそれで全部賄えるわけもなく、手出しが必ず発生するし、それを出すだけの金銭的余裕も精神的余裕もないから。なのでいくら生んだ後の対策をしたところで少子化には何の対策にもならない。なのでまずは手取りを増やす、将来の不安をなくすが一番の解決策。

4、男女関係なく言えることですが、「人は選択肢が多いほど楽な道を選びがち」という性質があることに加え、社会的に人権意識や多様性意識を高めようという昨今の風潮と、女性に対して子供を産めと暗に社会的圧力をかけることは両立できるわけないですからね。その点において、日本も含めどの先進国でも北欧ですらも少子化対策がことごとく失敗に終わっている理由は明白で、現代における西洋由来の人権思想の範疇では、少子化の改善効果が高そうな施策そのものが多様性否定・人権侵害・差別のいずれかに必ず該当してしまうからです。