辻田真佐憲さんが著した書籍『「あの戦争」は何だったのか』は、戦争という恐ろしい実体を左右どちらにも偏らずに描き出そうとしています。しかし、戦後80年を経て、未だに「あの戦争」が我々日本人にとって何であったのかという問いに対して、明快な答えを見出せないのはなぜでしょうか。戦争はいつ始まり、何を目的とし、我々はどのようにそれに向き合うべきだったのでしょうか。この問いは感情論や教科書的な視点では解決しきれない。「侵略戦争」として教えられることが多いこの歴史を、果たしてその言葉だけで片付けて良いのでしょうか。

歴史的背景や国際関係の中で、日本の選択肢は本当に「侵略」しかなかったのでしょうか。経済的な問題、国際的な孤立、軍部と政治の関係性、そして日本国内の支持基盤──これらは我々が再度問い直さなければならない問題ではないでしょうか。それは単に過去の教育を見直すことに留まらず、現在の社会状況にも繋がる重大な問いかけです。

私たちは、「あの戦争」をどのように位置付けることで前進できるのか。それは勝者としての姿勢か、敗者の教訓か、あるいは異なる何かでしょうか。歴史をどのように未来に活かすか、そしてその教訓をどのように現代の問題に適用するか。

これこそが「現代の戦争観」を形作る上で避けて通れない課題です。この問いに対する答えを見出す覚悟は、私たちにありますか？

以下は、この問いに対する読者の意見です：

一読者の見解として、戦争を美化することなく、その実質的な目的と結果を見極めることが重要だと思います。過去の過ちを認識し、紛争を防ぐための教訓として未来に活かさねばならない。何故なら、歴史は繰り返される可能性があるからです。

戦争は俗説通りの侵略ではない、という見方もある。それでも、その侵略性を完全に否定することはできない。この駆け引きにおいて、理想と現実、そしてそれをどのように教育するべきか。思索の途上です。

日本の戦争史を総合的に捉えるべき。日清戦争から日露戦争、そして第一次大戦、これらを総括し、戦争の流れを理解する。同じ過ちを繰り返さないためには、当時と現在の国際的立場を理解する必要があります。