2025年7月25日、大阪高裁で、口コミによる名誉毀損を巡る歯科医師2人の訴訟の判決が言い渡される。投稿内容は「知識は20年以上前」「子どもが怖がった」などで、2人は330万円の損害賠償を請求したが、大阪地裁は今年1月、真実性を否定しつつも賠償額を26万円と認定。調査費55万円すら補填されず、原告は控訴。日本医師会には5か月で175件の中傷相談があり、多くが泣き寝入りに。4月施行の新法では、投稿削除申請の義務化などが規定された。
この判決が示すのは、誹謗中傷に対し「勝訴しても傷が癒えない」という司法の限界だ。たった数分の悪意ある投稿が、被害者に多大な時間と費用を強いる現実は、あまりに理不尽である。
問題の核心は、ネット上の発信力に比して、被害救済手段があまりにも乏しい点にある。投稿者の責任が軽すぎる一方で、名誉を守る側は金銭的にも精神的にも深刻な負担を負う。現行制度は悪意ある匿名性を温存し、事実無根の発言が野放しになる温床となっている。
今必要なのは、①調査費用の実費全額を加害者に請求できる賠償制度の整備、②迅速な開示請求と削除対応を支援する専門機関の創設、③SNSプラットフォームへの投稿監視義務の法的明確化、である。
「言論の自由」は「無責任な中傷の自由」とは違う。沈黙を強いられる善意の人々の尊厳こそ、法が最も守るべき対象だ。被害者が泣き寝入りせず、堂々と声を上げられる社会に変えなければならない。
ネットからのコメント
1、あることないことを書きこまれて、悔しい思いをした事は、多々あることでしょう。問題なのは、匿名やハンドルネームで非難の書き込みをする人です。本名で書き込む人は、ほとんどいません。ある意味、卑怯な手段ですね。書き込まれる側は、特定されるのに、書き込む側は、特定されずに言いたい放題です。言論の自由とは、発言する側にも透明性と発言内容に責任を負って初めて許される権利です。ちなみに、Googleでは、あまりにもひどい書き込みをする相手は、ブロックすることができます。ブロックするとこの相手からの書き込みは、一切消去されます。お困りの節は、試してください。
2、いつもお世話になっている小児科の、口コミが唖然とする内容で書き込まれてしまいました。 閉院直前に娘が頭痛いと訴えてると連れて行ったが、もう、受付は終了しましたと見てもらえなかったのは医者あるまじきと批判する内容でした。 そこは人気の小児科で午後の受付も30分で予約が埋まってしまうことがあります。 緊急を要するなら救急に行かれるべきで、受付終了している医院を批判するのは傲慢です。 なぜ、こんなにも患者の立場で自分本位の考えになるのか不思議です。
3、歯科医院で働いていますが、歯科の口コミは本当にあてになりません。専門家から見る「良い先生」と、患者側から見る「良い先生」には差異があるからです。本当に良い先生に診て貰いたいなら、関係者に聞くのが一番です。また、ご周知の通りチェーン展開している大型医院は、ヤラセコメントが沢山存在します。 本当に良い医院は患者で溢れています。予約が更に取りにくくなるので、殆どの人はわざわざ口コミなんて書かないと思います。
4、>>賠償額は26万円で、投稿者の特定にかかった調査費にさえ満たず、歯科医師側が控訴していた。 >>今年1月の地裁判決は、投稿者が2人の医院を訪れた際、子どもは連れていなかったなどと指摘。20年以上前の知識という記述も含め、「投稿は真実ではなく、社会的評価を低下させた」と判断した。 訴訟しても明らかに歯科医側の損失が大きいね。 訴訟すればするほど、時間的なコストも含めて損失が膨らむ。 口コミ系は簡単に嘘が書き込める割に、裁判で書き込んだ側が負けても大した痛手なしだもんなぁ。 その嘘で事業主が大きな経済的損失を受けて事業存続に係わるかもしれないのにね。 嘘でも何でも書いた者勝ちで、事業者側の視点で見ると、ほんと理不尽だと思う。 また、口コミのプラットフォーム側に対しても、嘘と認められる投稿が放置された場合には大きなペナルティがないと、この問題は減らないだろうね。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/ee09865712e818c567a0a731ec3b3045f95a1130,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]