2025年1月、群馬県邑楽郡の町立中学校で、学習支援員の69歳男性が女子生徒に対し2度にわたりわいせつ行為を行い、5月に懲役2年6カ月(執行猶予4年)の有罪判決が確定した。事件後、校長(59)は警察への通報を怠り、「受験期に騒がれても困る」などと母親に口止めとも取れる発言をしていた。県教委は校長を「戒告」の懲戒処分とし、1カ月の研修を課す。町教委への指導も予定されているが、保護者説明や謝罪は行われておらず、再発防止策も示されていない。校長の対応は「隠蔽ではないが口止めと受け取られても仕方ない」とされ、報道を通じて事実が発覚したと県教委は説明。母親は町教委の説明責任を求めている。
子どもの安全を預かる教育現場で、これほどまでに責任感を欠いた対応が許されてよいのか。事件そのものも深刻だが、さらに傷を広げたのは学校と町教委の「事なかれ主義」に他ならない。通報の怠慢、被害者への口止め、保護者への説明の先延ばし——どれをとっても教育現場として異常である。
問題の本質は、事件発生時の緊急対応体制と通報ルールが機能していない制度的欠陥にある。さらに、加害を抑止する「教育の倫理」と「説明責任」の意識が、校長にも教育行政にも決定的に欠けている点は見過ごせない。
解決策としては、(1)性被害に関する通報と保護者連携の厳格なマニュアル化、(2)校長・教委職員への義務研修制度の制度化、(3)第三者機関による学校不祥事の調査・監視体制の整備が必要だ。
教育とは子どもを守る営みである。その信頼を損ねたとき、即座に責任を取り、再発を防ぐ覚悟こそが、真の教育者の姿である。形だけの処分では、次の犠牲者を防げない。
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ネットからのコメント
1、校長の対応も不適切だが、県教委も同じですね! 謝罪の写真を見ると、誰に頭を下げているのか? 本来は、マスコミへのポーズではなくて、被害に遭った生徒、保護者であろうと思うのだが? また、口止めが隠蔽に当たらないとの見解は、なかなか一般人には理解できない。 こういった対応は、いじめ等も含め、自身(校長、県教委等)の身を守ることが最優先にあることからなかなか改善されないと思う。 誰かのコメントにあったが、被害に遭ったら、速やかに警察に通報することが一番ことが進むように思う。(少なくとも、隠蔽はできないと思う)
2、県教委が報道によってまずさを知ったとありますが、今回の件がまずい対応だったと認識できるようになったという事に時代の進歩を感じるというくらいにはまだまだ性加害というのは軽視されているんだな、子供は全く守られていないんだなということを感じますね。 被害者と親御さんは本当に大変でしたね。 こういった事はたとえ自分たちが正しいとわかっていてもいざ告発しようとすると本当にしんどいと思います。
本当に信じられないくらい教職員や教育委員会の無理解に直面して絶望されたんじゃないでしょうか? 被害者と親御さんの努力が今後のためになることを願ってやみません。
3、町村規模の地教委は、はっきり言って不用。教育にはズブの素人の役場職員と、地域の元保護者か元教員の非常勤で構成された組織。 施設管理はできても人材育成はできない。アドバイス程度。危機管理など、ほぼ現場任せ。複数町村規模の広域で、せめて市教育程度の組織にすべき。教育現場にある問題が、ほぼほぼ解決されないのは、ここに問題がある。
4、定年間近の「校長先生」に1ヵ月足らずの研修を受講させたところで、真剣に受講するのだろうか疑問です。校長職を解職させないのも、退職金に影響が出ないようにとの配慮としか思えないですね。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/9e8590b951bfd5d84a201773583a36b6bc627c90,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]