小原日登美さんの突然の訃報に触れ、その人生の偉業と彼女が残したものについて考えると、なんとも言えない感情が胸に湧き上がる。彼女はその才能と努力で金メダルを手にしたが、その背後には数え切れないほどの困難があり、それを乗り越えてきたがゆえに、その死は何とも 「不可解なほどの空虚さ」 を感じさせる。

彼女を見いだした栄和人氏の言葉「これからだったのに」という言葉が、彼女の人生を総括するかのように心に刺さる。44歳という若さで未来を描くことができなかった彼女の無念さを思うと、才能や努力だけでは、人生のもろさを補えないのだと痛感する。ここで考えたいのは、小原さんが築き上げた者たちが今後どのように彼女の遺志を継承していくのかだ。

責任感と努力が彼女の名を世界に刻んだが、それは同時に彼女自身を重荷にしてしまったのかもしれない。「天才であるが故に、才能は宿命であり、また人を動かす力でもある」。だが、その力はその人を圧倒しうることも忘れてはならない。

訃報は悲しいものだ。しかし、その背後に潜むストーリーとそれがもたらす影響を忘れずに、我々は何を受け継ぎ、伝えていくのだろうか。それが彼女の死に対する最大の敬意だ。

ネットからのコメント

1、栄監督が「レスリングの申し子」と言われるほどの天才でありながら、努力を惜しまない姿は多くの人に勇気を与えてくれました。世界選手権6度制覇、そして一度は引退しながらもロンドン五輪で金メダルを掴み取った姿は決して忘れません。ロサンゼルス五輪に向けてコーチとしても期待されていただけに、あまりにも早すぎる別れは残念でなりません。心よりご冥福をお祈りいたします。

2、たしか元の階級がオリンピックにはない階級で、上の階級には吉田沙保里さんがいて、下の階級に落としてオリンピック金メダリストになった苦労人なんだよね。　現役引退から復帰、減量乗り越え３１歳で金メダルの時に泣いたわ。どの記事も死因を書いてないが、ちゃんと取材して伝えてほしい。病名までは要らないけど病死なら病死と発表しないと、この若さでの急逝には余計な憶測が付き纏う。アスリートとして、そして指導者としても人間的に優れた方であり、その突然の訃報に言葉を失いました。彼女の堂々たる戦いぶりは今も鮮明に記憶に残っており、惜しまれる存在です。心よりご冥福をお祈りいたします。

3、逝くの早過ぎる一流アスリートは多い。古賀稔彦さんの時も驚いた。凄まじい鍛錬で命が削られたとしか思えない。侍のような生き方に見える。普通の選手の二倍働く最強アスリートが心配になる。どこまでが命削らずにすむか分かる研究者は居ないのだろうか。

4、オリンピックは必ず見るので当時小原さんの活躍を応援していたと思います。まさか44歳で亡くなるとは～、まだまだ教える側に回れる年齢、ご冥福をお祈り致します。レスリングの卵がまた金メダルを目指してぜひ頑張ってください。